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I Remember Berklee ⑦

The Zoo

エリザベスは今日からレジストレーション(科目登録)だと言って、朝から出かけていったが10年前と専攻を変える関係でいろいろ面倒な手続きがあるらしく何度も150Mass. Aveのビルディングと1140を行ったり来たりしている。そのたびに部屋に戻ってきては「ったく、手際が悪いのよ!!ファック!シット!」とお下品な言葉で文句を言っている。私は午後から英語のテストがあるのでやっと落ち着いたエリザベスと入れ違いで部屋を出た。「留学生は英語のテストもあるから大変ね。頑張って」「ありがとう」

テストはフェンウェイ通りに校舎で行うことになっている。ボストンレッドソックスのホームグラウンドの「フェンウェイパーク」という公園の横の通りである。今は昼間だから安心だが、夜は殺人事件などもおこったことがあり危険なので、近くを通らないようにと言われている。私はおっかなびっくり歩いていった。するとアイスブレイクで知り合った美香が校舎の前で「ラップ」といういわゆる西洋春巻きにかぶりついている姿が見えた。「今から英語のテストなんだ」「そう、私も」私たちは一緒に教室に向かった。テストはマークシートで、私は一般教養はとらず音楽のみのディプロマコースなのでここでの英語の成績はクラス分けには関係ない。日本ではもういやというほどTOEFLを受けたので、適当に答えを選び、マークしていった。テストが終わり、美香と150Mass.Aveのビルに戻りながら今夜あるという留学生のミーティングに出席しようと約束し、そこで一旦別れた。

カフェで夕飯をすませ、ミーティングに参加するため1140に向かった。まず自己紹介で出身国と専攻楽器などをひとりひとり言っていくのだが、やはり日本人が多いという印象を受けた。韓国人も結構いてヨーロッパやラテン系のの学生もジョークを交えたあいさつで笑わせてくれた。それにしても皆すごいなまりのある英語でおかしくなってしまった。その後、カウンセリングセンターの担当者から、文化の違いはあっても皆で助け合って頑張りましょうという話や、セキュリティからの注意事項で夜9時以降は出歩かないようにしましょう、などというような話があり、終了した。この後はピザとジュースのサーブがあるのでそれらを食べながらいろいろな国の人と友達になりましょう。ということなので、夕飯は食べたのにがつがつとピザをむさぼり食っていると一人の日本人女性から声を掛けられた。この後2学期にルームメイトになるRだった。

翌4日は学校内施設のオリエンテーションに出かけた。まず、メディアセンター。ここには20台のテレビと40台のCDプレイヤーが設置してあり、見たいビデオや聴きたいCDをコンピューターで検索し観賞することができるのだ。その隣にはE-mailを送受信できるコンピューターが20台ほどあった。次に図書館。普通の本のほか、楽譜やリードシート、音楽雑誌も置いてあり、日本で発売されていたジャズライフやスィングジャーナル(現在の「JAZZ JAPAN」?)もあるのには驚いた。図書館の奥にはラーニングセンターがあり、ここはコンピューターを使って楽譜を書いたり、シーケンサーで音楽データを打ち込んだりというようなことができる、まさに音楽大学ならではの設備だった。案内してくれたスタッフによると、コンピューターの充実度という点から見て、バークリーは世界でもトップレベルの大学になるらしい。「大いに活用してくれ」と言っていたが、私に使いこなせるかなぁ・・・という感じだった。

午後はキャリアリソースセンターに移動した。いわゆる就職課である。ここにもコンピューターがたくさんあり、部屋の外の壁には求人の紙がびらびらと貼ってあった。ホテルでの演奏や音楽講師など結構たくさんあったが、私は卒業はしないのでこの施設を利用できる人がうらやましかった。

施設見学が終わり夜になった。部屋に戻るとエリザベスはワインを飲んでいた。私にも勧めたが私はあまりお酒を飲まないので断るとなおも彼女はぐびぐび飲み、私が寝ようとする頃には相当酔っていた。(なんだろう・・なにか嫌なことでもあったのかなぁ・・)ドアの前で胡坐を組んでなおも飲み続ける彼女に少し腹を立てて、私はベッドに横になった。そのうちエリザベスはくだをまくようになった。「へっ、私はもう若くないからパーティなんて行かないのさっ。」なんて言っている。どうやら本当はパーティに行きたいのだがまわりは19、20の若者ばかりなので躊躇しているようだった。しかしそのうち誰かが誘いに来て、強がりを言っていた彼女もついに、「じゃあ、いっちょいくか~、ヒュ~」と叫ぶと部屋を出ていった。あまりの豹変ぶりに私はあきれた。そして「寮は動物園よ」と言っていたマリさんの言葉を思い出した。しかし早めにこちらに来てアパートを探すことなど私にはできなかったのではやばやと寮に申し込んだのだ。そのことを少し後悔しながら(ミュージックセラピー科ですなんてエラソーにしてたけど、セラピーが必要なのは自分なんじゃないの~?)と腹の中で悪態をついていた。もう真夜中なのに寮の中はとってもうるさい。時計を見ると2時を過ぎている。せっかく時差ボケが治りかけているのに・・・と思いながらやっと眠りについた。


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